おばさまはお好き?
ちょっと前の話。馴染みのBARに女性の友人を連れて行った時の事。バーテンダー氏に予約の電話を入れる際に、「妙齢のご婦人と一緒だから…」と軽い気持ちで伝えたとたんに、その連れのお方が烈火のごとくお怒りに…「妙齢というのは失礼でしょう!」と叱られてしまいました。その方は、「妙齢というのは50代くらいの女性のことを指す言葉だから…」とおっしゃるのです。あのぉ~妙齢というのは「妙」の部首の「女」と「少」で、「少女」となるところから、うら若き女性を意味して、それが時代の変化によって「結婚適齢期」の年齢のことになっているんじゃないですか?と出掛かったけど、火に油を注ぐことになりかねないので黙って謝りました。そこで教訓…「女性に対しては年齢の話は決してしてはいけない。例えそれが真実であろうと、褒め言葉であろうと。」
さて、そんな苦い(?)思い出で始まった今回のエントリーは。牝馬の年齢の話となります。
高松宮記念の出走予定馬の馬柱に、とても懐かしい馬の名前を見つけることが出来ます。アーバニティの母親のレガシーオブストレングスです。この馬、まだ繁殖牝馬として子供を産んでいたのですね。1982年生まれで、米国で走った後、日本で繁殖牝馬となります。初仔はレガシーオブゼルダ。この馬、実はPOGで指名馬でした。たぶん下位の指名だったと。はっきり言って名前に惹かれての指名でした。ペーパーの期間中は2勝しかあげられませんでしたが、いちょうSや京成杯3歳Sで2着となり、ずいぶんと孝行してもらいました。以降、ドラフトで他人に指名されない限り、毎年産駒を指名することになり、サイレントハピネスやスティンガーで重賞勝ちの美酒に酔わせてもらった事もあり、忘れられない馬となりましたが、スティンガーの年を最後に、自分がPOGに参加しなくなったのと、産駒から重賞クラスの馬が出なくなっていたので、どうしたのかな?と思うことがあっても、もう相当の年だから、引退してしまったのかな…くらいに思っていました。
このアーバニティ、2006年の札幌で新馬デビュー。僕は新馬戦はほとんどスルーしてしまいますので、中央ではこの一戦のみの出走となり、その後故障のため1年あまりの休養後に、地方競馬に移籍してしまったこの馬には気がつかなかったのも無理のないことでした。その後園田で4連勝してから再び中央の舞台に戻ってきたのは昨年の5月のことで、この時初めて、「おや、レガシーオブストレングスの仔がいる」と気付いて、驚いたり、懐かしい気持ちになったのでした。
この仔は2004年生まれですので、母が22歳時の産駒なんです。ずいぶん高齢になってからの子供なのですが、競馬ブックの「血統アカデミー」によりますと、2000年以降では、2003年の東海Sを勝ったゴールドプルーフが、母サンウーマンが23歳時の産駒で、それに次ぐ高齢時出産の重賞勝馬記録だそうです。そういえばゴールドプルーフも地方所属馬でした。
さて、アーバニティですが、再び中央に戻ってきてからは、一歩一歩クラスの壁を乗り越えて、僕が隠れ出世レースとして注目している「韓国馬事杯」から「オーシャンS」と連勝し、繁殖引退した母に久し振りの重賞勝ちをプレゼントしました。そして今回迎える高松宮記念、もしも優勝しましたら、母親が21歳時に生まれたフリートストリートダンサーの記録(JCダート)を塗り替える、産駒のGⅠ勝利の最高齢出産記録となるそうです。かなり以前に読んだ書物に、父母の合計5*歳での勝利記録というのがあったような気もしますが、2000年以降だとそうなるとのことです。
そんなレガシーオブストレングスですが、父は米国最後の三冠馬のアファームドです。僕はこの馬にもシアトルスルーと同時期の取材で会っています。アファームドとアリダーとのライヴァル物語や引退後にこの2頭が辿った数奇な運命など、いつかまとめてエントリーしたいなと思っています。アーバニティはそんな思い出溢れるレガシーオブストレングスの最後の「伝承者」(レガシー)。「都会風な」という名前のわりには、これまでの道のりは決して洗練されたものではありませんでしたが、この馬の物語はまだ序章を終えたばかりです。どんな物語を確立(アファームド)するのだろうか?とても気になります。
アファームドとの記念写真。明るい栗毛がとてもきれいな馬でした。手前のチェックのシャツを着ているのが、●田鷹雄氏ではなく、今よりプラス15キロだった頃のQuinaです。
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